木は植物の仲間ですから、土から養分や水分を吸い上げ、光合成をして成長をします。そんな木を山から切り出した時、木の内側には100%を超える水分が含まれています。木の中にそんなにも多くの水分が?とイメージが湧かない方も多いと思います。100%以上の水分と聞くと、切ったところからドバドバと水が溢れ出してきてもおかしくないのでは?とすら考えてしまいますが、実際そのようなことはありません。木材と含水率の関係についてご紹介します。

杉の含水率は200%⁉︎

 木に水分が含まれていることはご存知の方も多いと思いますが、驚くべきはその含水率です。材種によっては100%を超え、建材にも使われる杉に関しては部位によっては200%の含水率となる材もあります。

 200%もの水分といわれるとイメージしずらいですが、木の含水率はその材を乾燥させた状態の木の重さを1とした際の水分の重量を指しています。そのため、含水率100%ならば、例えば木が1に対して水分が1なので全体の50%が水分。200%なら3kgのうち1kgが植物組織で2kgが水分という計算になります。

 木の中には、スポンジのように多くの細胞組織があり、その中に水をたっぷりと含むことができます。実際のスポンジも、モノ事態はふわふわと軽いですがスポンジ以上の重さの水をたっぷりと蓄えることができます。そのイメージが最も木材の含水を想像するのに適していると思います。
 実際に弊社の倉庫でも、生材は乾燥材よりずっしりと重く、初めて持つ方はその重さに驚かれることがあります。(弊社に在庫を保有しているのは米松G材です。)出荷する構造材は人工乾燥材(KD材)が主流ですが、山から伐採された直後の木はそれほど多くの水分を含んでいます。

同じ木でも場所によって含水率は違う

 樹種や切り取る部分によってもこの生材の含水率は違っていて、丸太の断面図でみたとき中央の赤い部分を芯材、その周囲の白っぽい部分を辺材といいます。多くの場合、芯材は組織が詰まっていて強度が高く、辺材に水分養分を運ぶための役割が集中していることから辺材に水が多く含まれています。

 また、季節によっても含水率は異なると言われています。杉に限って言えば、秋冬に含水率が高くなっているというデータもあります。

建築現場で使うために

 伐採したての木材はそれほど多くの水分を含んでいますが、そこから製材したままの生材を建築物に使うということは仮設用途などを除き、まずありません。生材はそのまま置いておくだけでも、じわじわと水分が抜けてきます。それにより、乾燥によるひび割れや歪み、反りが出てきてしまいます。また、水分を多く含んでいるとカビやすいです。そうなると、建築の設計や強度が十分な状態で完成させるのは難しくなってしまいます。

 そのため、建築物に使用するために必ず「乾燥」という工程を踏みます。人工乾燥(KD)もしくは自然乾燥(AD)です。それらを踏まえて、木の中の100%以上の水分を15%まで落とし建材として現場に届けられています。

参考文献
三澤康彦『「木の住まい」をデザインする』2019 建築資料研究社